番組は、都内で暮らす39歳男性のいまの姿をリポートする。男性は、大学を卒業して大手企業に就職し、積極的に働いてきたものの、その姿勢が受け 入れられずに孤立して、会社を退職。その後、フリーのシステムエンジニアとして複数の仕事をこなすものの、取り引き先が破たんして、すべての仕事を失い、 引きこもり状態になった。
実は、男性が番組の収録で、自宅近くの河川敷を散歩しながら語る言葉の中に、長期化、高年齢化していく「大人の引きこもり」の本質的な問題が集約されている。
<例えば、ゲームはある程度、アイテムが詰まった状態で闘ってるから、どんどん進んで行けるっていうのがあるじゃない。それが全部ボーンとなっ ちゃって、全部初期状態になっちゃったみたいなさ、やる気なくなっちゃうでしょ。完全に勝てないわけだからさ。だけど、ゲームは進行しているっていう、そ ういう気分だよね。だからさ、もう諦めてるから、もう操作なんて、基本的にしないよね。どんどんやられるままでいいさって…>
およそ13年前から、引きこもりの問題を取材してきて感じるのは、皆、まじめな性格で、高い目標や理想を持っていた人たちが多いこと。目標を高く持ち過ぎるあまり、実行できずに不安になり、心のバランスを崩している。
キャパがいっぱいになって、どこかのバランスが崩れたときは、何も考えずに思い切りラクになる休息時間も必要だ。しかし、家族や周囲は焦って、何 とか社会に戻そうとして本人を追い詰めるので、中途半端に引きこもってしまう。本人たちは、多かれ少なかれ罪悪感を持ちながら、どこかで仕方がないとも 思っているのだ。